「チープカシオ」なぜ人気? 安価だけではない、若者に支持される理由カシオ計算機に聞いた(1/4 ページ)

» 2024年09月22日 06時00分 公開
[熊谷ショウコITmedia]

 ここ数年、若者を中心にカシオ計算機のスタンダードウオッチが人気を集めている。SNSやネット上では「チープカシオ」あるいは、それを縮めた「チプカシ」の愛称で親しまれているものだ。

 「Apple Watch」をはじめとしたスマートウオッチでもなく、「ロレックス」のような高価格帯の時計でもなく、なぜ今、チープカシオと呼ばれる時計に注目が集まるのか。

 カシオ計算機が分析する人気の理由や今後の展開について、同社で商品戦略を担当する轟理絵氏とマーケティング戦略を担当する服部飛花氏に話を聞いた。

定番の軽量・薄型デジタル液晶モデル「F-91W-1JH」2200円(出典:カシオ計算機、以下同)

「チープカシオ」とは

 チープカシオはカシオ計算機が名付けたブランドやシリーズ名ではなく、「安価(チープ)なのにおしゃれで高性能なカシオの時計」といった意味合いからSNS上で広がっていったものだ。

 チープカシオと呼ぶ商品群はなく、同社が国内向けに「CASIO Collection(カシオコレクション)」「CASIO CLASSIC(カシオクラシック)」、海外向けに「CASIO VINTAGE(カシオビンテージ)」の名称で販売するスタンダードウオッチを示す。

 ラインアップはカシオコレクションとカシオスタンダードを合わせると200モデル以上あり、特徴はG-SHOCKなどと比較して低価格帯であること。最も安いものは2000円台から、高いものでも1万円台で販売している。1980年代から30年以上続いているロングセラーモデルや、現代向けにカラーを新調したモデルまで存在する。

ジェンダーレススタイルの「MQ-24-7B2LLJH」2200円
Bluetooth搭載のクラシックデザイン「ABL-100WE-1AJF」1万1000円

 「カシオ計算機ではG-SHOCK/BABY-G、OCEANUSシリーズなど、さまざまな時計をラインアップしていますが、その中でもカシオコレクションやカシオクラシックは一番手に取りやすい価格帯の商品群です。年代性別を問わず、幅広い層に向けた商品となっています。売り上げは2021年以降、毎年前年を超えており、直近では2ケタ成長を記録しています」(轟氏)

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