「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モールスピン経済の歩き方(7/7 ページ)

» 2025年03月05日 06時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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米国の巨大ショッピングモールは今どうなっているか

 先ほど述べたように、これから若いファミリーはどんどん減っていくので、テナントの空きが増えていく。そのスペースをロボット倉庫や配送センターとして活用していく。ノルウェー発の「オートストア」のように、キューブ型のロボットストレージを積み上げるようなシステムを活用すれば、それほど広大なスペースは必要はない。実際、海外では店舗のバッグヤードにこのようなシステムを導入して「スマート倉庫」として活用するケースも増えている。

ノルウェー発の「オートストア」(出典:オカムラ)

 つまり、人口減少ニッポンでイオンモールが生き残っていくには、これまでのテナント収入だけではなく、物流と「スマート倉庫」でも稼いでいくビジネスモデルの転換が求められるのではないか。

「廃墟モール」も増えている米国(画像はイメージ、出典:ゲッティイメージズ)

 「ショッピングモール」という形態が生まれた米国では国内がモールだらけになって、「デッドモール」などと呼ばれる廃墟化した施設もできた。しかし、一部ではアマゾンなど宅配・物流企業が「居抜き」として買い上げ、フルフィルメントセンターなどに再利用している。

 よく「米国の今は日本の10年後の姿」といわれる。もちろん、国民性や社会制度が違うので、全てに当てはまるものではないが、ショッピングモールに関してはかなり当たっているのではないか。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受


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