Cursorは、ワークスペース内に複数のフォルダを開くことができる。Obsidianの保管庫もただのフォルダでしかないので、Cursorの「フォルダをワークスペースに追加」機能を使って、Obsidianの保管庫をCursorのワークスペース内に展開する。これでCursor内のディレクトリ表示から、Obsidianの保管庫内のファイルを自由に参照できるようになった。
さてクリップ記事をCursorで開いたら、AIにタグ付けとリンク生成をやってもらう。この指示に関しては、和田健太郎(@WdknWdkn)氏が実行プロンプトを公開してくれているので、それを若干モディファイして使わせてもらうことにした。
やることはこのプロンプトを、クリップボード拡張ツールを使っていつでも呼び出せるようにしておき、AIの指示エリアに貼るだけである。すると文書内を解析し、タグ付けやリンクを自動生成し、文書内に貼り付けてくれる。Obsidian側でこの文書を開き、リンクをクリックすればグラフビュー上で関連付けが行われるというわけだ。
付けられたタグは、右側のサイドビューで「タグ」を選択すると、一覧が表示される。タグ名をクリックすると、そのタグが付けられた文書が左側のサイドビューに表示される。これはこれで便利だ。
記事をクリッピングするという行為は、何かのテーマについて調べていてたどり着いたものもある。また一方で日々のニュースを見ていく中で、これは将来発展がありそうだなとか、自分に関係しそうだなといったものもクリッピングする。
クリッピングした記事から生成されるリンクは、一種のキーワードである。複数の記事が1つのキーワードに接続されていれば、そのキーワードをテーマにして何らかのコラムが書けるということになる。自分の興味の蓄積が整理されていくことで、大きなテーマが見つかるかもしれない。あるいは、何らかの社会の方向性が見つけられるかもしれない。
キーワードとして作られたリンクをクリックすると空のマークダウンテキストが生成される。このテキストファイルをCursorで開いて、AIの力を借りてそのワードの説明を書いていく。これまでは記事を書くために都度調べていたのだが、書いた後で忘れていくこともあった。そういった知識も、ここに蓄積されていく。
一方で自分の公開された記事をクリッピングしていくのも便利だろうと思っている。これまで筆者は25年間でおそらく数千にのぼる文章を執筆してきたが、自分が書いた内容をすべて記憶しているはずもなく、書いてしまうと安心してどんどん忘れてしまう。しかし自分のスタンスや主張の整合性を取るためにも、過去に自分が何を書いたか、どういう点で繋がっているのかを把握できるのは大きい。
今はまだクリッピングを始めて間もないため、まだナレッジネットワークとしては大した形になっていない。だがこれを1年続けただけでも、相当の巨大な知識マップができあがるはずだ。
今はAIがなんでもやってくれる時代で、ともすれば自分の代わりにモノを考えてくれる。自分の得意ではない分野のことを考えてくれるのは助かるが、逆に自分の専門分野のことは、人間がAIの領分を上回る。AIには思いつけないこと、AIが知らないことを書くためのツールとして、こうした知識と知識を接続する手法は、役に立つのではないだろうか。
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