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SNSで相次ぐ記者への中傷、「民主主義を揺るがしかねない」――日本新聞協会が声明
日本新聞協会は6月5日、記者らへの誹ぼう中傷やプライバシー侵害がインターネット上で増加しているとして、「断じて許されない」とする声明を発表した。正当な取材活動の妨害は民主主義を揺るがす行為だと警鐘を鳴らした。
日本新聞協会は6月5日、SNS上などで記者らに向けられる誹謗(ひぼう)中傷や侮辱、プライバシー侵害の事例が増えているとし、一連の行為について「断じて許されない」とする声明を発表した。
同協会は表現の自由を掲げる立場から、正当な批判や論評には真摯(しんし)に向き合うとの姿勢を示した。一方で、根拠のない批判や、正当性を逸脱した誹謗中傷・侮辱、プライバシーの暴露は「誰に対しても人権侵害行為に他ならない」としている。
中でも「個人の顔写真をSNSなどにさらして容姿をあげつらう」「根拠のない批判や脅迫的な言葉で業務を妨害する」といった行為に対して、「不当な攻撃は断じて許されない」とし、中傷や侮辱によって正当な取材活動が脅かされれば、「民主主義を揺るがすことになりかねない」と強調した。
新聞各社は、「萎縮することなく報道を続ける」としつつ、不当な攻撃には「厳正に対処すると表明。記者などに対して、安全確保や心のケアを含むサポートを講じるとしている。
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