「MacBook Air」はM4チップ搭載で何が変わった? 実機を試して分かった買うべきユーザー層(1/3 ページ)
Appleで人気のノートPC「MacBook Air」に、M4チップを採用した新モデルが発売される。実機を林信行氏がチェックした。
「Apple M4」は、Appleが手掛ける最新世代のプロセッサだ。それがついに、世界中で人気を集めるノートPCの1つ、「MacBook Air」にも搭載された。新色の「スカイブルー」も追加され注目が集まる同製品を一足先にレビューする機会を得た。まずはファーストインプレッションをお届けしたい。
世界的に人気のノートPCがM4チップ搭載でさらに魅力アップ
13インチと15インチの2種類から選べるMacBook Airだが、今回試したのは新色スカイブルーの13インチモデル(10コアCPU/10コアGPU、16GBメモリ、1TB SSD)という構成だ。
今から17年前の2008年、スティーブ・ジョブズ氏が薄さを強調すべく、茶封筒から取り出す演出で発表したMacBook Airは、手前側がナイフの刃先のように極端に薄くなったくさび型形状が製品のアイデンティティーとなっていた。しかし、2022年に登場したM2チップ搭載のモデルからMacBook Proに近い直方体の形状に変更され、本製品はこの形状になって2世代目の製品だ。
ただし、同じアルミの削り出しボディーでも全体的に薄く仕上がっており、持った時に「見た目よりも軽い」と感じる。
参考までに、今回試した13インチのMacBook Airは本体の厚さが約1.13cmで、重量は約1.24kgだが、MacBook Proはサイズが近い14インチのMacBook Proでも厚さが約1.55cmで重量は約1.55kgと、小さなペットボトル飲料1本分ほどの差がある。
これまで製品カラーは落ち着いた色が中心で、唯一、スターライトだけが製品に明るさと華やかさ、軽やかさをもたらしていたが、今回はそこに新色の「スカイブルー」が追加された。スカイブルーとはいうものの、晴れた日の青空の明るく抜けるような青さとは少し違って、ややくすんでいてクールな印象の青だ。暗い場所ではほぼグレーに見える。Apple製品らしく、実に表情豊かで複雑な色合いだ。
この製品の魅力を一言で表すとすれば、「薄い!軽い!なのにM4」に尽きる。
10万円切りでディスプレイなしのデスクトップPC「Mac mini」に続くMacBook Airは、お手頃価格のMacでありながら、ほとんどの事務利用や学校での利用はもちろん、本格的な4Kのビデオ編集から、高度な3DグラフィックスやVR/ARコンテンツの制作まで、どんな用途でも、カジュアルな使い方であればそこそこの性能でこなすオールマイティーなパワフルなマシンだ。
それでいて薄くて軽く、その上で工芸品のように美しい。多くの人に自信を持って勧められる製品で、世界で人気を集めているのも納得の仕上がりだ。
ちなみに、最近のMacBook Airを知らない人のために、この製品がどれだけオールマイティーかを軽くまとめよう。広い色域(P3)を表示できるLiquid Retinaディスプレイを搭載し、充電はUSB Type-Cでも行えるが、電源コードに足を引っ掛けても本体を痛めずに外れるMagSafe 3の充電にも対応する。
充電口を分けたことで、電源に差した状態でも2基のThunderbolt 4端子が使える状態で、しかも、それとは別に有線のヘッドフォンを接続できるオーディオ用の3.5mmヘッドフォン端子が付いている。
指紋認証に対応したTouch IDを備え、無線LANもWi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)対応でBluetooth 5.3もサポートする。個人的には、それに加えて付属の電源アダプターが、小型でかわいいにも関わらず、iPhoneなどを充電できる2基のUSB Type-C端子を備えている点も気に入っている。

左側面にThundenbolt 4対応の2基のUSB Type-C端子とMagSafe 3端子が用意されている。電源との接続は、MagSafe 3端子だけでなくThunderbolt 4端子でも行える
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