富士通はWindows 10の定例アップデート後に自社製の一部デスクトップPCおよびPCワークステーションで起動不能になる不具合を確認した。対象は2015〜2018年販売のモデルで、該当のWindows Updateの配信を停止している。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
富士通は2025年6月13日(現地時間)、自社製の一部デスクトップPCおよびPCワークステーションにおいて、「Windows 10」の定例アップデート適用後に起動できなくなる現象を確認したと発表した。
該当機種は2015〜2018年に販売したモデルで、問題の発生を受けて2025年6月13日以降、対象のWindows Updateの配信を一時的に停止している。
この問題については、大塚商会も同様の情報を公開しており、同社のサポート窓口には2025年6月11日以降、富士通製PCが起動しないとの問い合わせが増加しているという。富士通製の一部モデルが対象とされており、詳細な原因と対策は引き続き調査中とされている。
海外の技術系ブログでは今回の問題に関連する技術的分析が公開されている。IT研究者のグンナー・ハスリンガー氏によると、Microsoftが2025年6月に配信したWindows 10用の累積更新プログラム「KB5060533」に含まれるSecure Boot DBX(Forbidden Signature Database)の更新が一因とみられる。
更新内容がUEFIの起動時に読み込まれる構造となっており、アップデート適用直後ではなく、数回再起動した後にPCが起動不能となるケースが報告されている。
実際の不具合では起動時に富士通のロゴが表示されたままフリーズし、BIOS画面に入れず、ストレージやUSBデバイスへのアクセスも一切できない状態となる。「D3410-B」などのマザーボードを搭載した機種において、UEFIがDBXの更新を読み込んだ後に動作が停止する事例が確認されている。
このような状況から、Secure Boot関連のデータベースファイル「dbxupdate.bin」などがUEFI側の処理能力や格納領域を超過した可能性が指摘されている。同ファイルは従来の8KBから6月の更新で24KBに増加しており、これが一部BIOSの限界を超えたと考えられている。
Microsoftおよび富士通からの今後の対応方針に注目が集まる。対象機種を使用しているユーザーは最新の情報を確認することが求められる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.