2025年3月にMWC Barcelonaで発表された「Xiaomi 15 Ultra」や「Xiaomi 15」を皮切りに、どとうの勢いで3月、4月に新製品を投入したXiaomi。ミッドレンジモデルの「Redmi Note 14 Pro 5G」や、オンライン専用モデルのPOCOシリーズもこの期間に3機種発売しており、わずか2カ月間で6機種ものスマートフォンを世に送り出している。
また、3月22日には、埼玉県さいたま市のイオンモール浦和美園内に日本初となる常設のXiaomi Storeをグランドオープン。翌4月にも、埼玉県川口市のイオンモール川口内に、Xiaomi Store川口を開設した。グローバルでの戦略と同様、Xiaomi Japanは日本でもリテールを強化していく方針で、年内には5から10店舗まで数を拡大していく計画だ。
投入する端末のバリエーションが大きく増えた一方で、2024年はキャリアモデルとして販売されていたRedmiシリーズも、オープンマーケットモデルとして投入されている。日本市場攻略の戦略には、何か変化があったのか。矢継ぎ早に新機種を投入するXiaomi Japanに、話を聞いた。インタビューは副社長の鄭彦(てい・げん)氏と、プロダクトプランニング本部 本部長の安達晃彦氏が答えた。
―― 今年はグローバルでの発表から日本発売までのタイムラグがほとんどありませんでした。ここは意識していたのでしょうか。
鄭氏 Xiaomiを好きな方、買いたいという方から、グローバルとなるべく近い日程で発売してほしいという声が多く寄せられていました。日本で発売する際に、認証やテストなどやらなければいけないことも多く、今までは時期がズレてしまっていました。もちろん、過去数年も頑張ってはいましたが、ユーザーのニーズに応えることは1つの課題として取り組んできました。
安達氏 補足すると、昨年発売された「Xiaomi 14 Ultra」は1年を通じて非常に高い評価を得ました。5月の発表時の反響も大きく、手応えもありました。その時点では後継機の形がどうなるかは分からないところはありましたが、投入するのであれば商品性だけでなく、タイミングもできるだけお客さまの期待に合わせたい。というところの交渉を、本社と続けてきました。結果として、本社もそれをサポートしてくれたので、ほぼ同時発売が実現できました。
ビジネス的な話を言うと、昨年は2カ月ぐらい間が空いたことで、並行輸入のものがかなりの人の手に渡ってしまいました。メーカーとしてしてはうれしいことですし、それが人気を底上げしてくれた部分もありますが、できれば最初から正規の形でお届けしたかった。それもあって、ほぼ同時発売になりました。
―― 発売時期もそうですが、価格も2万円下がりました。これも頑張れば何とかなるのでしょうか。それとも、販売規模が増えることでの値下げでしょうか。
安達氏 数もそうですし、最初から日本向けの設計を入れてもらえた効率化の部分もあります。あとは、Photography Kitですね。Xiaomi 14 Ultraでは全数同梱(こん)していましたが、Xiaomi 15 Ultraは同梱が期間限定で、今は1万円引きになっています。そういういろいろなところを積み重ねて、17万9800円(税込み)からスタートできました。販売構成で20〜30%の比率になっている1TB版も、何とか(税込みで)20万円以下で出したかったということもあります。
―― 1TB版がその比率とは、かなり高いですね。もっと少数派だと思っていました。
安達氏 さすがに半分はいきませんでしたが、現時点ではそのぐらいの割合の方が1TB版を選んでいます。恐らく動画を撮るということなのでしょうか。あとは、単純に一番いいものが欲しいという気持ちが働くのかもしれません。
鄭氏 2万円差でストレージが倍になるのであれば、という理由もありますね。
安達氏 スターティング価格は見せ物的に安くして、実際上位構成を買うと高いということがありますが、Xiaomiはストレージを上げても安いということを敏感に感じ取っていただけているのだと思います。
―― ストレージが必要とされていないのではなく、価格さえ安ければ上位モデルを選ぶ人もいるということですね。
安達氏 そうだと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.