例えば、皆さんはこんな経験をしたことはないだろうか。
組織や仕事の中で、何十年も解決できず、”塩漬け”になっている課題がある。この解決を任されたあなたは仲間の協力やアイデアを結集。そんな努力の甲斐(かい)もあって、どうにか前に進められそうになったとき、どこからともなくこんな声がする。
「おいおい、やり方が乱暴だろ、もっとみんなの意見を聞いて進めないと」
もちろん、こういう指摘の中にはもっともなものもある。しかし、中には既存のシステムや既得権を守るため、こういう改革をつぶそうとする、「反対のための反対」をする人がいる。それが「現状維持おじさん」だ。
事実、「改革プロジェクト」は、こういう横やりで頓挫することが多い。冷静に考えれば当たり前だ。関係者に意見を聞けば、皆それぞれが自分たちの利益を守ろうとするので議論は紛糾して時間だけが過ぎていく。そこでどうにか結論にこぎつけたとしても、関係者の要望を反映した妥協の産物にしかならない。いわゆる“玉虫色の折衷案”というものなので、構造的な問題を変える力などないのだ。
筆者も報道対策アドバイザーとして、危機に直面した組織の内部を目にすることがあるが、「現状維持おじさん」の発言力・政治力が強い組織は、何も決断できず、対応が迷走し事態を悪化させるケースが圧倒的に多い。
では、こういう状況を避けるためにどうするのか。組織論の専門家やビジネスコンサルタントなどがよく言うのは、組織の中に「味方を増やす」ことが組織改革の成否を分ける鍵だという。
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